
おはようございます。筋湯温泉で迎える朝。最終日は窓に広がる素晴らしい朝焼けからのスタートです。なんだか素敵な1日になりそうな予感がします。軽めの朝食をいただいて朝8時にチェックアウト。一晩お世話になりました。
8時45発のバスに乗りたいので朝風呂は近くで済ませます。筋湯温泉にはうたせ湯・薬師湯・岩ん湯と3つの共同浴場がありますが、少し前まではもうひとつ共同浴場がありました。
その浴場は"せんしゃく湯"。ひと昔前の温泉マップでは記載されていましたが、現在の案内板からは消えています。

▲上が昔、下が現在の案内板。
観光協会に問い合わせても入れるのかイマイチ不明な回答。温泉ブログなどを見てもどちらの意見もある。答えが分からないので実際に行ってみました。
細かい道順はあえて省きますが、バス停から細道を川の方に降っていき廃業した辛川荘別館へ。脇にある荒道を進みます。

▲辛川荘別館の入口にあたる場所は崩落していました。
ほどなくしてせんしゃく湯に到着。保全状態は結構綺麗で温泉の音もする…!これは…入ることが出来そうだ!
窓が開いていたので入る前に覗きこみ。一説では湯温が下がって廃湯したとの情報も見かけましたが、湯気も立っているし気持ちよさそう…!
高揚した気分で扉に手をかけると「ガチャリ!」…あれ?開かない…。窓から覗きこむと扉に釘が一本引っかけてある。あ、これ入れないやつだ。そうかぁ駄目なのかぁ。
いっそのこと窓から入って入湯しようかという考えも頭をよぎりましたが、流石にそれは不法進入になるので止めときました。
近くのお宿の話を統合すると扉が開いている時は入ってもいいみたいです。ただ、湯量や湯温は下がっているから何もここに入らなくてもいいんじゃない?というスタンスのようですね。
▲川沿いの立地のため水流音が心地良かった。
バスの時間までせんしゃく湯の入口脇から降りられる川を見にいったり、うたせ湯や足湯を見に行って時間潰し。
時間になったのでバス停で待機します。…が。待てどもバスがこない。もともと通過区間で手を挙げて乗るという乗り方を観光協会で聞いたので、その方法で乗ろうと思っていたんですが、不安がよぎってきたので観光協会に電話。
協会の人「手を挙げればバスは止まりますが、その区間はバス通らないんですよー。」
ガッデムばか野郎。それを最初に電話したときに言ってくれ!(怒)と、怒ったところでどうにもならないので次の目的地の九酔渓へ歩いて向かうことにします。
車道を歩いて20分。お隣の湯坪温泉に到着しました。街の入口に"共同浴場河原湯温泉"がありました。せっかくなので筋湯で入り損ねた朝風呂にお邪魔します。

清掃中で入れませんでした。まだまだ先は長いのでこんなところで休むんじゃねぇ!という神様の優しさでしょう。さくさくと次へ進みます。

アップダウンを繰り返す山道をどんどん進みます。途中で温泉の湯貯め井戸を見つけました。歩いていなかったら見る機会がなかったかもしれない。
道が狭くなってきたところで、九重役場危機管理センターから着信が。先ほどの観光局の上席の方が案内間違いをしたお詫びに迎えにいきます!との申し出。
そんなの申し訳ねぇ…!でもこのままだと予定をどこかでひとつ潰さないといけないし…。ありがたく好意に甘えることにしました。
役場から30分かかるとのことなので、私もできるだけ歩を進めておきます!と伝える。ちょうど程よい距離に喫茶薔薇家という店があるのでそこでお茶休憩がてら拾ってもらうことに。
▲ちなみに喫茶薔薇家は閉まってた。
1時間半ほど歩きましたが半分の距離もいってなかった。ここからは登り道が多くなる場所だったので、歩いたら4時間はかかっていたかも。九重役場の方、本当にありがとうございました。
車だとあっという間に九酔渓(きゅうすいけい)に到着。予定より時間は押していますが2セットくらいならサウナにも入れそうだ。役場の方とお別れして"ホタルと絶景の宿つれづれ"へお邪魔します。
見事な渓谷美を拝める九酔渓。その峠に佇む湯治のお宿つれづれ。貸切風呂をメインにサウナ付きの大浴場を備えています。
あ。
予定調和をぶち壊していくスタイル。お風呂の神様手厳しい!ちょっと信じられなくてHPを確認。
ホームページ【不定休/10時から21時】
なんなら営業時間まで違うじゃん!(ぶち切れ)
いや。分かってるよ。ぶちギレたところでそこには空しさしか残らないことなんて。ただね?ここにたどり着くまでにいろんなドラマがあったんだよ。こんなことなら役場の人に豊後森まで送ってもらえばよかった!
定休日なのは仕方がない。オーケー。九酔渓の景色でも見て平常心を取り戻そう。
なんて見事な景色なんだ。紅葉にはまだ早かったけど、ここまで凄い渓谷の観望は初めてだ。九酔渓すごい。天狗の滝も見に行こう。

天狗の滝でマイナスイオンをたっぷり浴びて乱れた心も清らかになった。ありがとう自然。超愛してる。ふと右側に目をやると願いが叶う岩清水「願い水」があった。
私にはいま大草原で習得したハイジの清らかな心がある。マイナスイオンも浴びた。きっと岩清水に願い事をする条件は十分に満たしていることだろう。
「どうか次こそはサウナか温泉にはいれますように。」
バスの時刻までまだまだ時間が余っているので、桂茶屋にも寄ってみることに。
手前にある団子屋のおっちゃんに話しかけると1000円以上買い物をしたらつれづれが無料になるよ!と言われたので、今日は閉まっていましたよと告げる。
団子屋「今日は11時から開くよ!団子買うかい
?」
ほぅ。やるじゃないかおやじ。その情報を信じて団子を買おうじゃないか。誉めてつかわす。団子を食べながら11時まで待つことにした。
▲団子は味が濃くてしょっぱかった。
11時になったので再び"つれづれ"にお邪魔します。ようやくサウナに入れる。朝8時から既に3時間。長い道のりだった。

薄々そうかもしれないとは思っていたけど淡い期待に溺れてしまった自分が憎い。やっぱり開いていなかった。ガゼか。ガゼネタだったのか。
二度うちひしがれていると、宿泊客のチェックアウトを済ませたのであろうスタッフさんがやって来た。駄目元で確認したけどやっぱり定休日だった。
が、不幸中の幸いでスタッフさんはオーナー様だった。サウナに入ることは叶わなかったけど、情報と撮影をさせていただけたので簡単に紹介しておきます。
サウナは一段3人規模の小ぶりなサウナ。女性用サウナが電源つけっぱなしで温度表示は88℃。湿度は普通。男女どちらも座面の奥行きが広くてウィスキングができそう。
水風呂は手をつけた感覚だと多分19℃くらいかな。身体を浸からせたわけではないので差異あるかも。先ほど立ち寄った願い水と同じくこちらも天然岩清水。気持ちいいんだろうなぁ。内湯のみなので外気浴はなし。
道を挟んだ別棟の宿泊場所が長屋式の平屋で面白そうだった。公共機関の一人旅だと周りに遊ぶ場所がないため暇をもて余すかもしれないが、車旅やグループ旅行には宿泊利用もオススメです。
▲一人素泊まり6000円~と相場としては安く泊まれます。
バスの時間になりましたので出発します。つれづれや桂茶屋に行く場合は"展望台桂茶屋"バス停が最寄りです。
"九酔渓"九酔渓入口"という名前のバス停もありますが、こちらは登山者向けのバス停で茶屋からは離れた場所での降車になるのでご注意を。
朝から4時間九重を散策しましたが、本日はここまでまさかのノーサウナ・ノー温泉のまま下山。豊後森駅まで戻ってきました。よく考えたら喫茶店も閉まっていたから騙されて買った団子しか食べてない…。
豊後森の駅前商店街に"喫茶ブルボン"というお店があったので、ランチがてら立ち寄りました。
▲地元のおばさま方の憩いの喫茶ブルボン。ちなみにメニューは珈琲しかなかった。
次は玖珠町にある"ビジネスホテル山田"を目指して歩きます。道中では広大な玖珠川が見れました。
豊後街道を飾る芸術作品。正直、前衛的すぎてよく分からん。
▲"闘争する本能"と"語らう父と子"
豊後森駅から歩くこと30分。ビジネスホテル山田の看板が見えてきました。ホテルはどこにあるんだろう?

こちらは山田さんが個人所有されている敷地で、家族風呂・うどん屋・ビジネスホテルなど多角的に経営されているそうです。
▲家族風呂とうどん屋。家族風呂は850円~1000円と格安!
どうやらこちらの棟がビジネスホテルな模様。ホテルというよりは温浴施設に簡易宿泊所を設置した民宿に近い装いでした。
体感温度 90~92℃
体感水温 18~19℃
大浴場は入口隣の外から入ります。
男女わかれた大浴場に入ってみたところサウナが見当たりません。
あれ?と思って女将さんに確認したら、なんと建物内にサウナ専用浴場がありました。こちらは男性のみ。まるでお父さんの秘密基地のような佇まい。
▲大浴場は入口の外から。サウナは建物の中へ。
サウナ専用浴場の存在を知ると「これはもしかして素晴らしいサウナが待っているのかもしれない」という期待感が高まります。
扉を開けると雑然と並ぶロッカー。奥には飾らない休憩室。この雰囲気好きです。サウナに入るのが楽しみで仕方がない。

ガラッと浴場のドアを開けるとそこには木漏れ日あふれる素敵な浴場かありました。
一際目を引くのが中央に鎮座する長椅子。あそこで寝転がって休憩するの絶対に気持ちいい。はやる気持ちを抑えて洗体してからサウナ室へ。
遠赤外線ストーブのサウナ室。特別温度が高いわけでもないし湿度も普通。だけど居心地がすごくいい。
遠赤外線の波長が長くて換気が良く、室内に熱が行き渡っている感じがする。3段目に座っていると5~6分ほどで大粒の汗。身体内部にも熱がちゃんと通っている感覚がありました。

水風呂は玖珠川伏流水汲み上げ。とても入り心地のいい地下水でずーーっと入っていられる気持ち良さ。ヤバい。この水風呂は冷えを忘れてしまう危険さがある。
いつもより気持ち長めに水風呂に入って長椅子にゴロリ。木漏れ日に溶けていく冷えた身体。これはキマる。。ここにはサウナの沼にはまる総合力の高さがあった。
我慢したうえでのサウナだったので無言でもくもくと4セット。4セット目は外気浴へ。人口芝の上に切り株の椅子が置いてある。向かいの家からは多分丸見え。

【まとめ】
とても良かった。サウナも水風呂も休憩もどれを取っても気持ち良かったし、それらを合わせてみると更に最高だった。
特筆する点としては導線の美しさ。普段、導線はあまり気にしたことがない私が初めて導線が綺麗だと感じることができた。導線美によりさらにととのいの満足度が引き上げられた感覚がある。そんな体験をしたのは初めてでした。
大分県では鶴崎ホテルと並んで個人的好みトップにランクイン。ここは泊まりでぜひまたリピートしたいです。
今回のサ旅も終わりが近づいてきました。朝から動いていたわりにご飯は食べれていないし、サウナや温泉もひとつしか入れていませんが、最後は抜群の野天風呂を求めて豊後森駅から天ヶ瀬駅にやってきました。
⬛天ヶ瀬温泉⬛
玖珠川の河川敷に湧く野天温泉が立ち並ぶ温泉街。ほぼ全ての野天風呂が混浴(バスタオルや湯浴着の着衣は可能)で、程度の差はあるが衝立などの遮蔽物が一切存在しない浴場も多数存在する。
全国でも珍しい河川敷に浴場が並ぶ温泉街です。見た目は野天風呂そのものですが、共同浴場として管理してあるため入浴料金は必要です
(100円)

▲唯一男女別の脱衣場があるかじかの湯。シャレー水光園管理の浴場のため料金は500円必要。

▲遮蔽物があり比較的混浴難易度が低めな薬師湯。

▲遮蔽物が一切なく混浴難易度が一番高いのが神田湯。水温管理が難しいため熱すぎて入れないことも。
今回は運が良く適温だった神田湯に入りました。脱衣場らしきところに荷物を置いていざ入湯。

おぉ!この開放感は癖になる!玖珠川の流れもけっこう激しくて景観もすごい良かった。交互浴を繰り返しながら満喫しました。


ぽかぽかに暖まった身体で天ヶ瀬駅へ。夕日がとても綺麗。あとは日田駅へ移動して博多へ帰るだけです。天ヶ瀬来て良かった。
【サ旅まとめ】
最終日は長々と書いていきましたが、前日入り+1泊2日のサ旅はこれで終了です。
今回訪問した施設は
→サウナ
日田花の湯
まきばの温泉館
九重悠々亭
ビジネスホテル山田
(つれづれ)
→温泉
筌の口温泉
筋湯温泉
天ヶ瀬温泉
に新たに訪問しました。
くじゅう連山の標高が高い場所の水風呂は比較的冷たさがガツンとくる水が多かったです。
また、筌の口・九酔渓・天ヶ瀬など、視角にとても美しい情景を見ることができて満足な旅になりました。紅葉の時期にはまだ早かったのは残念でしたが、ひとり旅にもオススメできる旅路でした。
「非日常な情景に癒されるサウナ旅。」
このキャッチフレーズが豊後九重にはぴったりだと思います。皆さんも日常から抜け出したいとき、心が浄化を求めているときに九重に訪問されてみてはいかがでしょうか?おどろきと歓喜のため息と、澄み渡る空気がそこには待っていますよ!
それでは今回のサウナ旅はこの辺で。お付き合いいただきありがとうございました!
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