【大分】日田·九重サウナ旅12(日田花の湯/筌の口温泉)


ぷりかです。今回は大分県中西部にある九重(ここのえ)町を中心に日田・豊後森などを旅していきます。季節がてら紅葉が楽しみです!

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今回メインで訪問するのは九重町。九つの山に九つの温泉がある大分県屈指の観光スポットです。(実際には温泉はもっと沢山あります。)

○九重と久住
くじゅうを知る上で必ず出てくる問題が「九重と久住どっちの表記が正しいの?」問題。結論としてはどちらも正しいです。

ケース①:久住町と九重町
九重連山の北麓に玖珠郡九重町(くすぐんここのえまち)、南麓に竹田市久住町(くじゅうまち)があります。

延暦800年頃に九重連山の北麓に九重山白水寺、南麓に久住山猪鹿寺の2つの寺が開かれた事に由来。近代になり、その寺院の由来を元に北麓に九重町が、南麓に久住町が誕生しました。

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ケース②:久住山と九重山
玖珠郡と竹田市の間に連なる九つの山を総じて九重連山(くじゅうれんざん)と呼びます。簡略して九重山と呼ぶこともあります。九重連山の主峰の名前を久住山と呼びます

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ケース③:ふたつの"くじゅう"表記問題
このふたつの「くじゅう」。読み方が同じことから表記でよく揉めています。

1986年、大分県の陳情による阿蘇国立公園の改名では付け足す名前を"九重"にするか"久住"にするかの論争が絶えなかったため、「阿蘇くじゅう国立公園」の平仮名表記になりました。

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正直、九重側が「ここのえ」の読み方で統一すれば論争は起きないんじゃない?とも思いますが、元々、九重連山(くじゅう)という伝統的な山脈があったにも関わらず、久住という地名をつけた久住側に問題があるという主張も分からないでもない…(^^;

読み方論争は至るところで勃発しているので、最近は混乱を避けるために「くじゅう」と平仮名明記にすることが増えています。

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今回巡るのは北麓の九重町。南麓の久住側は久住の一部にあたる「長湯温泉」を旅した記事がありますので、合わせて読んでいただければより「くじゅう」を楽しめると思います。

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長湯温泉放浪記①~④2018.11月に訪問。

それでは『豊後・九重のサウナ旅』にしゅっぱーつ!!

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初日は仕事終わりに直行で日田市入りです。城下町の風情が残る町並みの天領日田。中心地の豆田町は重要伝統的建造物群保存地区にも指定されています。

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▲豆田町と日田天領千年あかりの風景

博多駅からJR鹿児島本線久留米駅で久本本線に乗り換え。スムーズに乗り換えた場合で約1時間30分ほどで日田駅に到着します。

今回は日田駅のひとつ手前、光岡駅で下車。夜サウナに光岡駅から徒歩15分のところにある「日田温泉花の湯」にやってきました。

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○花の湯(男女)同設定確認済
650円
10時~23時
不定休

体感温度 90~92℃(表示82℃)
体感水温 内湯 17~18℃
     露天 20~21℃

日田にあるお風呂屋さんのなかでは唯一高温サウナがある施設 花の湯。パチンコやお食事処が並ぶモールの一区画、地域密着型の小さなスーパー銭湯です。

花の湯には地元客が多く集まるのだろう。ロッカーの半分は個人専用ロッカーだった。この日も閉店間際に関わらずお客さんは多い。

お風呂よりサウナを利用しているお客さんが多かった。大浴場には所狭しと内湯が沢山。シャレた造りではないが明るくて雰囲気がいい。

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サウナ
サウナは3段。丸太材を壁に張った小屋風のサウナ室がかっこいい。
温度は92℃くらいかな?と思って温度計に目をやると表示82℃。あれ?低いな。

大型のオリンピア遠赤外線ストーブが真正面に鎮座。浴場の蒸気がサウナ室に流れてきていて湿度もそこそこある。

体感温度と表示温度に10℃くらいの差を感じる。どっかのサウナ室に似ているなぁと考えていくと、鹿児島の一本桜温泉センターに近いかもと思いあたった。


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サウナ室を出てすぐの場所に水風呂。と思いきやぬる湯だった。水風呂は浴場の真ん中にある浴槽の方。水温計はなかったが体感17℃~18℃くらい。しっかりと冷やして露天へ。

なんと露天にも水風呂があった。露天風呂は日替わり湯になっていて、この日はサウナ用の水風呂と書いてあった。8人は入れそうな浴槽に浸かってみる。体感20℃くらいかな。広々としていて気持ちいい。

休憩スペースは内湯にととの椅子が3脚、露天にベンチが3つ。ベンチの前には灰皿がある。

え?煙草吸っていいの?せっかくなので吸ってみた。裸でゆるゆるとキマリながら至福の一服。文字にするとヤバい字面になるが愛煙家にはたまらない。

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まとめ
閉店間際の入店だったため、渾身の1セットに全力投球。日田唯一の高温サウナを大々的に謳っているだけあって、期待以上のサウナを楽しめた。

花の湯は腰を据えて3セットじっくり入りたいと思える良施設。受付のおねーさんや、地元のお客さんの印象もよくて1日の締めにとても気持ちがいいサウナだった。またいきたい。


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夜サウナを楽しんだ後は眠るだけ。今夜は近くのネットカフェに泊まります。おやすみなさーい。

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▲日田市で唯一のネットカフェ。個室が通常のネカフェの倍の広さ。ゆっくり休めました。

翌朝は早い時間から行動開始。日田を散策したいところですが、時間があまりないので寄り道せずに豊後森に移動します。

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▲日田駅。"I"の文字は何処に行ったのだろう。


【久留米~大分を結ぶ九大本線】
日田~大分間を結ぶ電車は久大本線と特急ゆふ・由布院の森号があります。一部の時間帯では久大本線は運行していません。移動費を少しでも抑えたい場合は時刻表に注意が必要です。

▼久大本線と特急ゆふ参考比較
日田駅~天ヶ瀬駅
280円/約15分
1120円/約12分

日田駅~由布院駅
1130円/約1時間15分
2500円/約55分

由布院駅~大分駅
950円/55分
2110円/45分

所要時間はほとんど変わりませんが運賃は2倍以上違います。移動費を抑えたい派の私は朝7時台の久大本線で移動。約30分の乗車で豊後森駅に到着しました。

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▲久大本線はワンマンか2両編成。

豊後森でバスに乗り変えて九重連山を目指します。待ち時間が1時間半ほどあるので付近を散策。徒歩5分の場所にある豊後森機関庫へ。

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▲豊後森駅。ホームには鳥居がある。

豊後森機関庫
久大本線は大正9年に開通。大分県大分市と福岡県久留米市を往復しながら球磨流域の交通網を支え続けています。

昭和9年には豊後森駅に機関庫が建築されました。隣の恵良駅からは熊本小国に走る宮原線(※1984年廃線)も開通し、隆盛を誇った時代があったようです。

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▲当時の宮原線車両と終点・小国駅跡地。

しかし昭和16年に太平洋戦争が勃発。軍事物資輸送の役割を担った豊後森機関庫は米軍の機銃攻撃の標的になります。

現在でも機関庫の壁には機銃攻撃による生々しい弾痕が残っています。戦争の被害を受けながらも蒸気機関が廃止となる昭和49年まで機関庫は稼働し続けました。

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▲昭和の戦乱を駆け抜けた機関庫

こちらでは長崎原爆投下の際に被災した人々のために北部九州を走り続けた蒸気機関車9600型も展示されています。戦争は体験してないけど深く考えるきっかけになりました。来てみて良かったなぁ。

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▲九州では唯一現存する扇形機関庫。

時間は9時。そろそろ九重町コミュニティバスの発車時間です。豊後森駅に戻って移動します。

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▲九重コミュニティバスは豊後森駅か豊後中村駅からの乗車が便利(一律500円)

豊後中村駅で中国人の団体客が乗ってきたので、もしかして九重の温泉も外国人観光客で溢れているのかも…と不安になりましたが、みんなくじゅう夢吊大橋で降りていきました。私は高所が苦手なのでここはスルー。

夢吊大橋のひとつ先にある筌の口で下車。朝はサウナじゃなくてこちらにある温泉に立ち寄ります。

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バス停から鳴子川まで5分ほど降りていくと鳴子川沿いに「旅館新清館」と共同浴場「筌の口温泉」があります。

共同浴場の筌の口温泉は200円と格安です。今回は露天風呂が目当てなので隣の新清館にお邪魔します。

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▲新清館(500円/7時30分~22時/不定休)と筌の口共同浴場

新清館には混浴と女性専用のふたつの露天風呂があります。男性は混浴風呂のみになりますが、女性専用の露天風呂が別にあるので、混浴とは言ってもほぼ男性のみと考えていいでしょう。

混浴風呂は看板からすぐ。ポツンと小さな脱衣場がありました。鍵つきのロッカーはないので貴重品はなるべく持ち込まない方がいいですね。

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炭酸泉は30℃以上になるとだんだんと湯に溶けていきます。筌の口温泉は40℃ほどの適温なので炭酸が湯に溶けきっており、見事な黄土色の濁り湯に。

夏は新緑・秋は紅葉・冬は雪見。濃い黄土色の湯色も相まって素晴らしい湯けむりの景観を楽しむことができました。


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筌の口温泉(九重九湯)⬛
泉質 炭酸水素塩泉
温度 約40℃
九重コミュニティバス長者原線「筌の口」バス停下車徒歩で5分

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次は九重コミュニティバスの中継地点「飯田交流センター」に移動します。ここから徒歩でやまなみ牧場を目指します。続きは次回で。

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